副業の種類や自分に合ったおすすめな副業の選び方
副業と兼業の違い
現在、政府が進める「働き方改革」に伴い、副業や兼業が推進されています。これらの用語は法律的に厳密な定義がなく、一般的には「副業=本業以外のサブの仕事を持つこと」「兼業=同時に二つ以上の仕事を持つこと」といったイメージで使われることが一般的ですが、同じ意味で使用されることもあります。経済産業省が2017年に公表した提言では、「兼業・副業とは、一般的に、収入を得るために携わる本業以外の仕事を指す」とされています。
しかしこのような副業や兼業に対するイメージは、現在大きく変化しようとしています。以前は「本業以外のサブの仕事」「金銭的理由で行うもの」といった印象が一般的でしたが、今では個人のスキルや専門性を発揮し、多様な経験を積む手段として副業・兼業が注目されています。従業員が自らの成長やキャリアの発展を追求するための新しいアプローチとなりつつあり、これが「働き方改革」の一環として進化しているのです。
副業の新しい働き方
近年、「副業」「兼業」に加えて、「複業」という概念が注目を集めています。リクルートワークス研究所の論文によれば、「従来の副業は所得の補完を目的としたものであり、農林漁業者の兼業やアルバイトの掛け持ちなどが代表的でした。しかし、最近では自己実現や成長の機会の追求、また変化の激しい時代においてひとつの企業に依存するリスクを回避するなど、様々な目的を持つ『複業』が注目を浴びています。」(日本労働研究雑誌/独立行政法人労働政策研究・研修機構/2016年11月号)
これは、副業としての追加収入を得るだけでなく、自分が本当にやりたいことや未知のキャリアへの挑戦として副業を捉える人が増えていることを反映しています。政府の副業や兼業の推進も一因であり、本業では難しい領域でも副業なら比較的始めやすく、これが新しい働き方の潮流として広がっています。
どのような副業の種類がある?
キャリアアップにつながる可能性のある副業とは?
近年、働き方の多様性が求められ、副業がキャリアアップの一環として注目されています。特定のスキルや経験を積み、自身のキャリアに新たな価値を加えるためには、適切に選ばれた副業が有益です。以下に、キャリアアップにつながる可能性の高い副業の例を挙げてみます。
- 専門スキルの向上: 本業で使用できる専門スキルを伸ばすために関連する副業を選ぶことが重要です。例えば、IT関連の本業ならプログラミングやデザインの副業が役立ちます。
- プロジェクトマネジメント: 副業でプロジェクトをリードする経験は、リーダーシップや計画能力の向上につながります。プロジェクトの成功体験は履歴書や職務経歴書にもプラスになります。
- 起業志向: 副業を通じて自分の事業を始める経験は、起業家精神を培います。新しいアイデアや製品を開発し、市場に投入するプロセスを学びながら自身のキャリアに新たな局面をもたらします。
- 外部ネットワーク構築: 異なる業界や分野での副業は、新たな人脈を築く良い機会となります。業界横断的なつながりは将来のキャリアに大いに役立つことがあります。
- クリエイティブなスキル磨き: 副業でのクリエイティブな活動(写真、イラスト、音楽制作など)は、自己表現力や問題解決能力を向上させ、柔軟性を養います。
キャリアアップを考える上で重要なのは、本業との調和や時間管理を確保しつつ、自分の強化したいスキルや興味を考慮した副業を選ぶことです。柔軟で有益な副業は、個々のキャリアに新たな可能性を広げます。
ネットビジネスや在宅可能な副業で空き時間を有効活用
現代のテクノロジーの進化により、ネットビジネスや在宅でできる副業がますます注目を集めています。これらの活動は、働く人々が忙しいスケジュールの合間や空き時間を利用して収入を得る優れた手段となっています。
- 自分のペースで稼ぐ: ネットビジネスや在宅副業は、作業の時間や場所に柔軟性をもたらします。自分の生活スケジュールに合わせて仕事を進め、自分のペースで収入を得ることが可能です。
- スキルの向上と副収入: ウェブ開発、デザイン、ライティング、プログラミングなどのスキルを活かして、フリーランスとして仕事を受注することで、本業にプラスされるスキルの向上と副収入を得ることができます。
- アフィリエイトやブログ運営: ブログやウェブサイトを通じたアフィリエイト広告の掲載やコンテンツの提供は、趣味や専門知識を活かして報酬を得る手段となります。
- オンライン講座の提供: 自分の得意分野や経験を活かしてオンライン講座を提供することで、他者に知識を伝えつつ収益を得ることができます。
- デジタルプロダクトの販売: 自らが作成したデジタルプロダクト(電子書籍、テンプレート、写真素材など)を販売し、パッシブインカムを構築することも可能です。
これらのネットビジネスや在宅副業は、空き時間を有効に利用し、柔軟かつ効率的に収入を生み出す手段となります。技術の進歩によって、副業を通じて新しいキャリアの機会が広がっており、個々のスキルや興味に合わせて活動することで、充実したライフスタイルを築くことができます。
株式や不動産など個人投資も副業になる
近年、個人が資産を増やす手段として、株式や不動産などへの投資が注目を集めています。これらの投資は、単なる資産運用だけでなく、個人にとっての副業としても有望な選択肢となっています。
- 株式投資: 株式市場での投資は、資産の成長だけでなく、企業や市場の動向を追いながら資産を運用することで、投資家としてのスキルを高めることができます。日々の市況を追いかけつつ、資産の増加を目指すことができます。
- 不動産投資: 物件の取得や不動産ファンドへの投資は、不労所得を生む可能性があります。資産価値の上昇や家賃収入など、不動産市場の変動を利用して資産を増やすことができます。
- 仮想通貨投資: ビットコインなどの仮想通貨投資は、急激な価格変動がある一方で、リスクとリターンのバランスを考慮した上で、資産の多様化や増加を狙う手段となります。
- 投資信託やロボアドバイザー: 投資信託やロボアドバイザーを活用した投資は、専門的な知識がなくても始めることができるため、手軽に資産運用を行うことができます。
これらの投資は、資産の増加だけでなく、自己資産運用のスキル向上や金融市場に対する理解を深める手段としても非常に有益です。ただし、リスク管理や市場動向の把握が重要ですので、慎重かつ計画的なアプローチが求められます。個人投資は、適切な知識と戦略を備えることで、資産の成長をサポートする強力な副業となりえます。
複数企業で働く副業の形
近年、働き方の多様化が進む中で、「多元的労働」と呼ばれる新しい副業のスタイルが注目を集めています。これは、一人の労働者が複数の企業や雇用主に同時に属し、異なる仕事やプロジェクトに携わる働き方を指します。
- 柔軟な働き方: 多元的労働は、従来のフルタイムの単一の雇用だけでなく、複数の雇用主との契約やプロジェクトベースの仕事を組み合わせることで、柔軟な働き方を実現します。これにより、労働者は自分のスケジュールや仕事内容を選択でき、ワークライフバランスを向上させることが期待されます。
- スキルの多様性: 複数企業に属することで、異なる業種やプロジェクトに携わる機会が増えます。これにより、労働者は多様なスキルを身につけ、自己成長やキャリアアップに寄与することができます。
- リスク分散: 複数の雇用主に属することで、一つの雇用主やプロジェクトに依存するリスクを分散できます。経済の変動や企業の状況に左右されにくく、安定感のある収入源を確保することが可能です。
- 自己マネジメント: 多元的労働では、自己マネジメント能力が重要です。仕事の優先順位をつけ、スケジュールを管理し、異なるプロジェクトや雇用主とのコミュニケーションを円滑に行うスキルが求められます。
多元的労働は、働き手と企業の双方に利益をもたらす可能性があります。労働者は柔軟性やスキル向上、収入源の多様性を享受できる一方で、企業は柔軟な労働力を確保し、プロジェクトごとに専門性を活かせる人材を採用できるというメリットがあります。この新しい働き方が今後一層広まることが期待されています。
副業募集企業が求める人物像とは
現代のビジネス環境では、副業を募集する企業がますます増えています。副業を探す際、企業が求める理想の人物像にはいくつかの共通した特徴があります。
- 柔軟性と適応力: 副業は通常、本業との両立が求められます。企業は柔軟性があり、新しい環境に適応できる人材を重視します。変化に対応でき、効率的に仕事をこなす姿勢が求められます。
- 自己マネジメントスキル: 副業は自己管理が不可欠です。自分でスケジュールを管理し、タスクを優先順位付けできるスキルがあることは、企業にとって魅力的な要素です。独立性や自己責任感があると評価されます。
- 専門性とスキルセット: 副業が本業と関連性がある場合、専門性や特定のスキルセットが重要です。企業は、副業を通じてもたらされる追加価値や新しいアイデアに期待を寄せます。
- コミュニケーション能力: 副業が他の仕事やプロジェクトとの連携を必要とする場合、コミュニケーション能力が重視されます。円滑な連携や情報共有ができると、プロジェクト全体の成功に寄与します。
- 意欲とポジティブな態度: 副業は追加の労働量を意味しますが、その中で意欲的に取り組む姿勢が求められます。困難に立ち向かい、ポジティブな態度で仕事に取り組むことは、企業にとって魅力的です。
企業はこれらの特徴を持つ個人を採用することで、副業が企業全体にプラスの影響をもたらすと期待しています。副業を通じて得られる多様な視点や経験は、企業の創造性や成果に寄与する可能性があります。
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